小話２

前回の小話の続きです。
設定を見てくれているとよくわかる？わからないか。

DBの夢小説。
名前変換なしです。
ってかあまり名前を出さずにいきたいと思います。
TOA×DB。
トリップ物、トランクス中心デス。




どうぞ

そんな私だが、巻き込まれてしまった。
サイヤ人？
なんだそれは。
わけがわからない。

 

 

 

「おーい、そこの生徒！」

「はい？」

 

先生に呼び止められたとき、私はそのまま気づくことなく通り過ぎていればよかった。
そんなことも当然考えていない私は、そのまま立ち止まる。

「悪いなぁ、これ、カプセルコーポレーションのトランクスに
　渡してきてくれないか？」

「は？なんで？」

「いや、今日あいつ休みだっただろう？
　本当は孫に頼むつもりだったんだが、帰ってしまっててなぁ。
　こんな時間だろう、もうあまり生徒も残っていないんだ。」

 

確かに、私は放課後に残って図書室をあさっていた。
いや、あさっていたって、別にただ本を読んでいただけだ。

この学校は本が豊富にあり、もとの「世界」に帰る手掛かりがあるのではないかと探している。
残っていたからと言って、なぜ私が？
という疑問をプリント数枚手にもっている目の前の先生に問いかけてみると、
私しかトランクスと同じクラスの生徒を見なかったからだという。

 

 

「だからと言って、私トランクスって人と話したことないのに･･･」

と、ぶつくさ言いながら、あの後先生に押しつけられた数枚のプリントを手に、
今カプセルコーポレーションの目の前に立っている。

ここは、この西の都に住んでいればだれでも場所を知っているところだったので、
迷うことはなかった。
でも、あまり面識のない生徒が突然やってきて、トランクスいますか？
っていうものぶしつけだと･･･。

そんなことを考えながら、入ることを決意した私は、そこから一歩踏み出した。
踏み出した直後、少し風がなびき、夕暮れのオレンジ色が暗くなった。
ふと空を見てみると、頭上に人が飛んでいる。

 

 

ひとが？
とんでいる？

 

 

「ひ、ひと･･･が、とんでる！？」

「あ･･･」

 

 

これでも私は摩訶不思議な体験をいくつかしてきた。
私のコンタミネーション現象も、この世界では摩訶不思議だろう。
でも、人が空を飛んでいるなんて、私は見たことがない。
魔物に乗って飛んでいるのなら別だが･･･。

 

ぽかーんと口を開けてぼーっとしていると、空を飛んでいた人物は私の前に降り立った。
すこし風を吹かせ、私の髪の毛をなびかせた。

 

 

 

「えっと･･･」

「･･････」

降り立った人物は、私の知る人で、それも今日学校を風邪で休んだはずの人物だった。
バツの悪そうな顔をし、左手で後頭部をぽりぽりと掻きながら、
私を見ている。

 

それから少し沈黙が続いたが、はっと私は意識を自分の身体に戻した。

「あ、これ」

「え、あ、学校の･･･」

 

私は右手に持っていたプリントをその人物に渡すと、
あっさり受け取ってくれた。

ぺらぺらと、さきほどまで後頭部にあった手を使いながらプリントを見る。
学校関係のものだとわかったのだろう、学校の･･･とつぶやいた。
それから、また気まずい雰囲気が戻ってくることを予測した私は、
そそくさと退散すべく左足を一歩後ろへと出した。

 

「そ、それじゃあ、私はこれで･･･」

「え」

 

「じゃあ」といいながら、即座にヒレを返し、足を一歩前へ、二歩、三歩･･･と
速足で進めた･･･。
四歩･･････と足を出したところで、右手を誰かにつかまれ、
結構な強さで後ろにひかれた。

 

「あっ、まって！」

「ほぁっ･･･」

いきなり後ろに引っ張られた私は、くらっと倒れそうになったが、
ここは元軍人。
ぐっと耐えて倒れることを自分で回避した。